ローン・投資

住宅ローンの繰上返済:期間短縮型と返済額軽減型のどちらが得か

公開 ・ 更新

書いた人:運営者(宅地建物取引士・上場不動産会社に10年勤務・現在はサラリーマン大家)

結論

減る利息は期間短縮型が多い(この例で約2倍)。

ただし毎月を楽にしたいなら返済額軽減型。目的で選ぶ。

例:3,000万円・35年・1.0%、5年後に300万円を繰上返済

減った利息

期間短縮型

972,123円

完済が3年10か月早まる

返済額軽減型

473,721円

毎月 84,685円 → 75,036円

期間短縮型は、返した元金にかかるはずだった後ろの期間の利息がまるごと消える。返済額軽減型は、毎月の利息が少しずつ減るだけ。

完済までの期間

期間短縮型:31年2か月で完済

0年返済(毎月84,685円)早く終わる35年

返済額軽減型:35年のまま

0年5年目まで84,685円その後75,036円35年
元利均等・ボーナス返済なし。繰上返済なしの利息の総額は5,567,804円。

早く返すほど効く

利息は残高にかかるので、同じ300万円でも、借りてから早い時期に返すほど減る利息は大きくなります。 ツールで繰上返済の時期を変えて比べてみてください。

どちらが向いているか

期間短縮型

  • 定年までに完済したい
  • 今の返済額を払い続けても無理がない

返済額軽減型

  • 教育費などで出費が増える
  • 収入が減る見込み(転職・育休・再雇用)
  • 変動金利で、返済額が上がる時の余裕がほしい

繰上返済の前に

  • 手元の現金を残す:返したお金は戻らない。生活費の数か月〜1年分は残す
  • 住宅ローン控除:控除は年末残高の0.7%。金利が0.7%より低いと、利息の減りより控除の減りが大きいことがある。完済までが10年未満になると控除が止まる
  • 手数料:ネットは無料の銀行が多い。窓口や固定期間中はかかることがある

変動金利の人は

返済額が5年間変わらない契約なら、繰上返済が元金の減りの遅れを取り戻す手段になります(5年ルール・125%ルール)。

詳しい解説

住宅ローンの繰上返済には、返済期間を短くする期間短縮型と、毎月の返済額を下げる返済額軽減型があります。 同じ額を繰上返済しても、減る利息は大きく違います。ただし「利息が多く減る方が常に正解」とは限りません。

2つの型の違い

  • 期間短縮型:毎月の返済額はそのままで、完済が早まる。繰上返済した元金にかかるはずだった、後ろの期間の利息がまるごとなくなる。
  • 返済額軽減型:完済の時期はそのままで、毎月の返済額が下がる。家計に余裕ができるが、減る利息は期間短縮型より少ない。

計算例:3,000万円・35年・1.0%で、5年後に300万円を繰上返済

元利均等返済、ボーナス返済なしで、当初の返済額は毎月84,685円です。5年後(残高約2,633万円)に300万円を繰上返済した場合を、 このサイトのローン計算ツールで計算しました。

繰上返済なし期間短縮型返済額軽減型
毎月の返済額84,685円84,685円75,036円
完済までの期間35年31年2か月35年
利息の総額5,567,804円4,595,681円5,094,083円
減った利息—972,123円473,721円

期間短縮型は利息が約97万円減り、完済が3年10か月早まります。返済額軽減型は利息の減り方が約47万円と半分ほどですが、 毎月の返済が9,649円軽くなります。

期間短縮型が向いている人・返済額軽減型が向いている人

期間短縮型

  • 定年までに完済したい、完済時期を前倒ししたい。
  • 今の返済額を払い続けても家計に無理がない。

返済額軽減型

  • 教育費など、これから出費が増える時期に備えたい。
  • 収入が減る見込みがある(転職・育休・定年後の再雇用など)。
  • 変動金利で、将来の金利上昇で返済額が上がったときの余裕を作っておきたい。

繰上返済の前に確かめること

  • 手元の現金を残す:繰上返済したお金は戻ってきません。病気や失業に備えた生活費(数か月〜1年分)を残した上で行いましょう。
  • 住宅ローン控除との関係:控除額は年末残高の0.7%です。控除期間中は、ローン金利が0.7%より低いと、 繰上返済で減る利息より控除の減り方の方が大きくなることがあります。 また、期間短縮で最初の借入から完済までの期間が10年未満になると、その年から控除を受けられなくなります。
  • 手数料:インターネットでの繰上返済は無料の銀行が多いですが、窓口や固定金利期間中は手数料がかかることがあります。

変動金利の人は

変動金利で、金利が上がっても返済額が5年間変わらない契約の人は、繰上返済が元金の減りの遅れを取り戻す手段になります。 仕組みは変動金利の5年ルール・125%ルールにまとめました。

よくある質問

Q. 繰上返済はいくらからできますか?

A. 銀行によります。インターネットなら1万円から、窓口では100万円以上など、最低額や単位が決まっています。

Q. 繰上返済すると、団体信用生命保険の保障は減りますか?

A. 保障額はローン残高なので、残高が減れば保障も小さくなります。万一のときに残す家族の資金も合わせて考えましょう。

Q. ボーナス返済分も繰上返済できますか?

A. 銀行によって扱いが違います。毎月返済分とボーナス返済分にどう割り振るかを選べる銀行もあります。
繰上返済の時期と金額を入れると、2つの型で減る利息と期間を比べられます。
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記事は一般的な仕組みの解説で、個別の税務判断や契約の助言ではありません。税額や手続きは、税務署・自治体・税理士などにご確認ください。