税金・ふるさと納税

個人事業主の社会保険料の目安(国民年金と国民健康保険)とふるさと納税

公開 ・ 更新

書いた人:運営者(宅地建物取引士・上場不動産会社に10年勤務・現在はサラリーマン大家)

結論

個人事業主の社会保険料は国民年金(定額)+国民健康保険。

会社員の料率で見積もると、家族構成や所得によって数十万円ずれる。

国民年金:所得に関係なく同じ額

2026年中に払う額(1人分)

本人だけ

213,810円

所得のない配偶者の分も払う

427,620円

配偶者の分も本人の控除に入る

1〜3月は令和7年度の月17,510円、4〜12月は令和8年度の月17,920円。ふるさと納税の上限は1〜12月で数える。

国民健康保険:所得に応じた額+人数分

4つの区分それぞれで「所得割(所得 − 43万円 に料率)+ 均等割(1人あたり)」を足し、区分ごとの上限で頭打ちになります。

令和8年度 東京23区(21区共通)の料率
区分所得割均等割(1人)上限
医療分7.51%47,600円670,000円
後期高齢者支援金分2.80%17,600円260,000円
介護分(40〜64歳)2.43%17,800円170,000円
子ども・子育て支援金分0.27%1,873円(18歳以上)30,000円

料率は自治体ごとに違います(23区でも中野区・江戸川区は少し違う)。

例:事業所得535万円・独身・40歳以上

医療分
417,092円
後期高齢者支援金分
155,360円
介護分
137,356円
子ども・子育て支援金分
15,157円
国民年金
213,810円

国保 724,900円(100円未満切り捨て)+ 国民年金 213,810円 = 合計 938,710円

事業収入 − 経費600万円、青色申告特別控除65万円。所得割の基準は 535万 − 43万 = 492万円。

会社員の料率で見積もると、どれだけずれるか

国民年金+国保 − 会社員の料率で見積もった額

300万円・独身・40歳以上
+82,210円
600万円・独身・40歳未満
−82,990円
600万円・独身・40歳以上
+6,310円
600万円・夫婦+子2人・40歳以上
+437,320円
1,000万円・独身・40歳以上
−214,290円
2,000万円・独身・40歳以上
−656,962円
事業収入 − 経費を額面の給与とみなして比べた差。青色申告特別控除65万円・東京23区の料率。
  • 所得が低い → 国保の方が多い(国民年金は定額なので割合が高い)
  • 所得が高い → 国保の方が少ない(上限で頭打ち。独身ならおおむね730万〜970万円で上限に届く)
  • 家族が多い → 国保の方がずっと多い(扶養の考え方がなく、家族全員に均等割がかかる)

ふるさと納税の上限への影響

例:事業収入 − 経費600万円・独身・40歳未満

会社員の料率で見積もり

117,280円

国民年金+国保で計算

119,665円

この例の差は2千円あまり。家族が多い・所得が高い場合は保険料の差が数十万円になり、上限の差も大きくなる。

今年の国保は前年の所得で決まる

所得が前年から大きく変わった人は、前年の所得で計算してください。所得が低い世帯の均等割の軽減(7割・5割・2割)は入れていないので、所得がおおむね100万円未満なら実額より多めに出ます。

詳しい解説

会社員の社会保険料は、額面の給与におおよそ15%前後の料率を掛ければ見当がつきます。 個人事業主は仕組みがまるで違い、国民年金(定額)と国民健康保険(所得に応じた額+人数に応じた額、上限あり)の組み合わせです。 会社員の料率で見積もると、所得帯や家族構成によっては数十万円ずれます。 社会保険料はそのまま所得控除になるので、このずれはふるさと納税の上限にも響きます。

国民年金は所得に関係なく定額

国民年金保険料は、令和7年度が月17,510円、令和8年度が月17,920円です。所得がいくらでも同じ額で、上限もありません。 ふるさと納税の上限は寄附した年(1〜12月)の控除で決まるので、年度ではなく暦年で数えます。 2026年中に納める額は、1〜3月が令和7年度、4〜12月が令和8年度の額なので、1人あたり次のとおりです。

17,510円 × 3か月 + 17,920円 × 9か月 = 213,810円

所得のない配偶者の国民年金を本人が払っている場合は、その分も本人の社会保険料控除に入れられます。夫婦なら427,620円です。

国民健康保険は「所得割+均等割」を4つの区分で

国民健康保険料は、医療分・後期高齢者支援金分・介護分(40〜64歳)・子ども・子育て支援金分(令和8年度から)の4つに分かれていて、 それぞれ「所得割」と「均等割」を足し、区分ごとの上限(賦課限度額)で頭打ちになります。 所得割は、前年の所得から基礎控除43万円を引いた額(旧ただし書き所得)に料率を掛けます。

料率は自治体ごとに違います。23区でも中野区と江戸川区は少し違い、市町村ではさらに差があります。 ここでは東京23区の料率を代表として使っています。

計算例:事業所得535万円(事業収入−経費600万円、青色申告特別控除65万円)・独身・40歳以上

区分計算保険料
所得割の基準5,350,000 − 430,0004,920,000円
医療分4,920,000 × 7.51% + 47,600417,092円
後期高齢者支援金分4,920,000 × 2.80% + 17,600155,360円
介護分4,920,000 × 2.43% + 17,800137,356円
子ども・子育て支援金分4,920,000 × 0.27% + 1,87315,157円
国民健康保険 合計100円未満切り捨て724,900円
国民年金2026年中の1人分213,810円
合計938,710円

会社員の料率で見積もるとどれだけずれるか

「事業収入−経費」を額面の給与とみなして会社員の料率で見積もった額と、国民年金+国民健康保険で計算した額を比べます (青色申告特別控除65万円、東京23区の料率)。

事業収入−経費家族・年齢会社員の料率国民年金+国保差
300万円独身・40歳以上466,200円548,410円+82,210円
600万円独身・40歳未満884,400円801,410円−82,990円
600万円独身・40歳以上932,400円938,710円+6,310円
600万円夫婦+子2人・40歳以上932,400円1,369,720円+437,320円
1,000万円独身・40歳以上1,554,000円1,339,710円−214,290円
2,000万円独身・40歳以上2,000,772円1,343,810円−656,962円

ずれ方が所得帯で逆になる理由

  • 所得が低いと、国民年金+国保の方が多い:国民年金は定額なので、所得が低いほど所得に対する割合が高くなります。
  • 所得が高いと、国民年金+国保の方が少ない:国保には区分ごとの上限があり、独身なら事業収入−経費がおおむね730万円(介護分)〜970万円(支援金分)で順に上限に届きます。それ以上は所得が増えても保険料はほとんど増えません。
  • 家族が多いと、国保の方がずっと多い:国保には扶養という考え方がなく、家族全員に均等割がかかります。配偶者の国民年金も加わります。会社員の健康保険なら、扶養家族が何人いても保険料は変わりません。

ふるさと納税の上限への影響

社会保険料は全額が所得控除になるので、見積もりが多すぎれば上限は小さく、少なすぎれば上限は大きく出ます。 たとえば事業収入−経費600万円・独身・40歳未満では、会社員の料率で見積もると保険料を8万円ほど多く見て、上限は117,280円になります。 国民年金+国保で計算すると上限は119,665円です。

この例では差は2千円あまりですが、家族が多い場合や所得が高い場合は保険料の差が数十万円になり、上限の差も大きくなります。 上限を多めに見積もって寄附しすぎると、超えた分は自己負担になります。

今年の国保は前年の所得で決まる

国民健康保険料は前年の所得をもとに決まります。今年の所得が前年から大きく変わる場合は、今年払う保険料は前年の所得で計算してください。 実際の保険料は、自治体から届く納入通知書で確かめるのが確実です。

所得が低い世帯には均等割の軽減(7割・5割・2割)があります。上の計算には入れていないので、所得がおおむね100万円未満の世帯では実額より多めに出ます。

よくある質問

Q. 国民年金を前納(まとめ払い)するとどうなりますか?

A. 割引があり、払った年の社会保険料控除になります。2年前納は、払った年にまとめて控除するか、各年に分けて控除するかを選べます。

Q. 国民健康保険料はいつ決まりますか?

A. 多くの自治体で6月ごろに前年の所得をもとに決まり、納入通知書が届きます。

Q. 付加年金・国民年金基金・iDeCoの掛金はどの控除ですか?

A. 付加保険料と国民年金基金の掛金は社会保険料控除、iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除です。どれも全額が所得から差し引かれます。
「個人事業主」を選ぶと、国民年金+国保を自動で計算します。実額がわかれば手入力もできます。
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