不動産実務
精算金をお客様に案内する文面の書き方(仕組みを伝え、内訳は精算書へ)
公開 ・ 更新
書いた人:運営者(宅地建物取引士・上場不動産会社に10年勤務・現在はサラリーマン大家)
結論
案内文には「なぜ払うのか」だけ書く。
計算の内訳は精算書に任せる。
内訳を並べると伝わらない
✕ 内訳を並べる
固定資産税 120,000円 × 99日 ÷ 365日 = 32,547円 管理費 18,000円 × 7日 ÷ 30日 = 4,200円 …
○ 仕組みを伝える
固定資産税は1年分を日割りしております。 決済日以降の分は買主様のご負担のため、残代金に上乗せしてご送金いたします。
- 数字が並ぶと「計算が合っているか」に目が行き、仕組みが残らない
- 精算書と二重に書くと、片方を直したときに食い違う
- スマホでは数式が折り返されて読みにくい
そのまま使える文例
自社が買主側の例です。「○」を実際の日付・日数に置き換えてください。
固定資産税・都市計画税
4月1日起算の地域は「4月1日〜翌年3月31日」に(起算日の違い)。
管理費・修繕積立金
賃料(管理会社が別の場合)
賃料(管理会社が買主を兼ねる場合)
最後に合計と精算書
「いたします」か「いただきます」か
自社が買主側(買主様に案内)
…ご送金いたします
自社が売主側(売主様に案内)
…ご送金いただきます
よくある書き間違い
敬語は「負担する側」ではなく「自社の立場」で選びます。賃料を差し引く場面で負担者に合わせると、買主側なのに「ご送金いただきます」と書いてしまいます。
詳しい解説
決済の前に、精算金の金額をLINEやメールでお客様へ送る場面はよくあります。 そのとき、つい「年税額◯円 × ◯日 ÷ 365日 = ◯円」と計算の内訳を並べたくなりますが、 お客様が本当に知りたいのは「なぜこのお金を払う(受け取る)のか」です。 計算の内訳は精算書に書いてあるので、案内文では仕組みを伝え、細かい数字は精算書を見てもらうのが伝わりやすい書き方です。
内訳を並べると伝わりにくい理由
- 日数や分母の数字が並ぶと、お客様は「計算が合っているか」を確かめる方に意識が向き、肝心の仕組みが残らない。
- 精算書と案内文の両方に内訳があると、どちらかを直したときに食い違う。
- スマホの画面では数式が折り返されて読みにくい。
案内文は「何の精算で、どちらの負担で、残代金にどう反映したか」を一言ずつ。 金額は合計を示し、内訳は「添付の精算書をご確認ください」とするのが基本形です。
項目ごとの文例
以下は自社が買主側(買主様に案内する立場)の例です。「○」の部分は実際の日付・日数に置き換えてください。
固定資産税・都市計画税
起算日を4月1日とする地域では「4月1日〜翌年3月31日」と書き換えます。起算日の考え方は固定資産税・都市計画税の日割り精算の仕組みをご覧ください。
管理費・修繕積立金
賃料(管理会社が別の場合)
賃料(管理会社が買主を兼ねる場合)
最後に合計と精算書の案内
「いたします」と「いただきます」の使い分け
精算金は、どの項目でも残代金に乗って買主から売主へ動きます。 誰が負担するかで変わるのは「上乗せ」か「差し引き」かだけです。 そのため、送金を「いたします」と書くか「いただきます」と書くかは、自社が買主側か売主側かで決まります。
- 自社が買主側(買主様に案内)… 「残代金に上乗せしてご送金いたします」
- 自社が売主側(売主様に案内)… 「残代金に上乗せしてご送金いただきます」
よくある書き間違い
賃料のように売主様の負担で「差し引く」項目のとき、負担する側に合わせて敬語を選ぶと、自社が買主なのに「ご送金いただきます」と書いてしまい、相手に送金を求める文になります。敬語は負担する側ではなく、自社の立場で選びます。
よくある質問
Q. 案内文はいつ送るのがよいですか?
Q. 端数の処理(切り捨てなど)は案内文に書くべきですか?
Q. LINEで送っても問題ありませんか?
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記事は一般的な仕組みの解説で、個別の税務判断や契約の助言ではありません。税額や手続きは、税務署・自治体・税理士などにご確認ください。