不動産実務

固定資産税・都市計画税の計算:住宅用地の特例と新築住宅の減額

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書いた人:運営者(宅地建物取引士・上場不動産会社に10年勤務・現在はサラリーマン大家)

結論

税率は固定資産税1.4%・都市計画税0.3%と単純。

税額を決めるのは「住宅が建っている土地」と「新築」の軽減。

土地:住宅が建っていると大きく下がる

区分固定資産税都市計画税
200㎡まで(1戸あたり)評価額 × 1/6評価額 × 1/3
200㎡を超える部分評価額 × 1/3評価額 × 2/3
  • マンション・アパートは「200㎡ × 戸数」まで1/6になる
  • 東京23区は、200㎡までの都市計画税をさらに1/2にしている

建物:新築は数年間 半分

  • 新築住宅の固定資産税は、120㎡までの部分が半分
  • 期間は一戸建て3年、3階建て以上のマンションなど5年
  • 床面積40〜240㎡が条件。都市計画税は減らない

例:東京23区の新築一戸建て

土地150㎡(評価額4,500万円)、木造の新築(100㎡・評価額1,200万円)。

毎年の税額

新築から3年間

247,500円

4年目以降

331,500円

建物の減額が終わる

減額が終わる4年目に「急に上がった」と感じるのは、建物の半分がなくなるため(実際は建物の評価額が下がるので少し小さくなる)。

内訳(3年間 → 4年目以降)

土地の固定資産税
105,000円(1/6)
土地の都市計画税
22,500円(1/3 × 23区の1/2)
建物の固定資産税
84,000円 → 168,000円
建物の都市計画税
36,000円

更地にすると約4.2倍

上の土地の固定資産税+都市計画税

住宅が建っている
127,500円
更地(最大)
535,500円
「6倍になる」とよく言われるが、更地は評価額の70%までに抑える仕組みがあるので、上限は約4.2倍。

空き家も特例が外れることがある

管理されていない空き家で市町村から勧告を受けると、建物が残っていても特例が外れます(令和5年から「管理不全空家」も対象)。

売買のときは日割りで精算

1月1日の持ち主に1年分かかるので、年の途中で売ると日割りで精算します (日割り精算の仕組み)。

詳しい解説

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日に土地・建物を持っている人にかかる市町村税(東京23区では都税)です。 税率そのものは単純で、固定資産税1.4%・都市計画税0.3%(上限)。 ただ、住宅が建っている土地や新築の建物には大きな軽減があり、税額はほとんどこの軽減で決まります。

基本の式

固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%

都市計画税 = 課税標準額 × 0.3%(市街化区域内の土地・建物だけ)

課税標準額は、原則として固定資産税評価額(3年ごとに評価替え)です。そこに次の特例がかかります。 税率は市町村の条例で決まるので、1.4%以外の自治体もあります。

住宅用地の特例(土地)

住宅が建っている土地は、課税標準額が大きく下がります。

区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(1戸あたり200㎡まで)評価額 × 1/6評価額 × 1/3
一般住宅用地(200㎡を超える部分)評価額 × 1/3評価額 × 2/3

区分マンションやアパートは「200㎡ × 戸数」まで小規模住宅用地になるので、敷地のほとんどが1/6の対象になります。 さらに東京23区では、小規模住宅用地の都市計画税を条例でさらに1/2に軽減しています。

新築住宅の減額(建物)

  • 新築住宅の固定資産税は、1戸あたり120㎡までの部分について税額が1/2になります。
  • 期間は、木造など一般の住宅が3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火の中高層住宅(マンションなど)が5年度分です。
  • 床面積が1戸あたり40㎡以上240㎡以下であることが条件です。
  • 都市計画税には、この減額はありません。

減額期間が終わった年に「急に税金が上がった」と感じるのは、この1/2がなくなるためです。

計算例:東京23区の新築一戸建て

土地150㎡(評価額4,500万円)、木造の新築住宅(床面積100㎡・評価額1,200万円)を、このサイトの税金計算ツールで計算しました。

計算新築から3年間4年目以降
土地の固定資産税4,500万 × 1/6 × 1.4%105,000円105,000円
土地の都市計画税4,500万 × 1/3 × 1/2 × 0.3%22,500円22,500円
建物の固定資産税1,200万 × 1.4%(3年間は1/2)84,000円168,000円
建物の都市計画税1,200万 × 0.3%36,000円36,000円
合計247,500円331,500円

建物の評価額は年数とともに下がるので、実際の4年目以降の税額はこれより少し小さくなります。 23区以外では土地の都市計画税の1/2軽減がないので、この例の土地の都市計画税は45,000円です。

更地にすると上がる

建物を取り壊すと住宅用地の特例が外れます。住宅の建っていない土地は、課税標準額が評価額の70%までに抑えられる仕組み(負担調整)ですが、 それでも1/6と比べれば大きな差です。上の土地が更地だと、固定資産税・都市計画税の合計は最大で年535,500円になり、 住宅があるときの127,500円の約4.2倍です。「6倍になる」とよく言われますが、この70%の上限があるので、実際の上限は約4.2倍です。

空き家も特例が外れることがある

管理されていない空き家について市町村から勧告を受けると、建物が残っていても住宅用地の特例が外れます。 令和5年の法改正で、倒壊の危険がある「特定空家」だけでなく、その手前の「管理不全空家」も対象になりました。

売買のときの精算

固定資産税は1月1日の所有者に1年分がかかるので、年の途中で売買すると、買主が持つ期間の分を日割りで精算するのが一般的です。 詳しくは固定資産税・都市計画税の日割り精算の仕組みにまとめました。

よくある質問

Q. 固定資産税の評価額はいつ見直されますか?

A. 3年ごとに評価替えがあります(直近は令和6年度、次は令和9年度)。それ以外の年は、原則として評価額は据え置きです。

Q. 固定資産税はいつ払いますか?

A. 多くの市町村で年4回に分けて納めます(東京23区は6月・9月・12月・2月)。一括で納めることもできます。

Q. 住宅を建てたら、住宅用地の特例は自動で適用されますか?

A. 多くの場合は家屋の調査に合わせて適用されますが、市町村によっては住宅用地の申告書の提出を求められます。
評価額・面積・用途・建築年を入れると、特例と減額を当てはめて毎年の税額を出します。
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記事は一般的な仕組みの解説で、個別の税務判断や契約の助言ではありません。税額や手続きは、税務署・自治体・税理士などにご確認ください。