不動産実務の解説記事
不動産の売買は、契約から決済・引渡しまでに、精算・書類・税金の細かな作業がいくつも続きます。どれも法律で決まっていることと、契約や地域の慣行で決まることが混ざっていて、担当者によって説明がぶれやすいところです。
このページでは、固定資産税・都市計画税の日割り精算(1月1日起算と4月1日起算)、管理費・修繕積立金と賃料の精算、お客様への精算金の案内文、送付状や支払明細書(インボイス対応)の書き方、決済当日の流れ、売買契約書の印紙税と仲介手数料の上限、買うときにかかる登録免許税・不動産取得税、毎年の固定資産税の軽減までを、実務の順番で解説した記事をまとめています。
書いているのは、上場している不動産会社に10年勤めた宅地建物取引士で、今は自分で物件を持つサラリーマン大家です。記事の数字は、このサイトの計算ツールで出した値と一致させています。
このテーマの要点
- 固定資産税・都市計画税は1月1日の所有者に1年分かかる。売買では、持っていた日数で売主と買主が精算するのが一般的(法律の義務ではなく契約の取り決め)
- 日割りの起算日は1月1日(関東に多い)と4月1日(関西に多い)の2通り。同じ決済日でも、買主の負担日数が大きく変わる
- 管理費・修繕積立金は前払いの口座振替が多く、決済後も切り替わる月までは売主の口座から引き落とされる。その分も精算に入れる
- 賃料と敷金は、売主から買主へ戻す向き(残代金から差し引く)。固都税・管理費とは向きが逆
- 請求書が届かないときは、支払う側が支払明細書(仕入明細書)を作り、相手の確認を受けて保存すれば仕入税額控除に使える
- 売買契約書の印紙税は、令和9年3月31日までに作る契約書は軽減税率(1,000万円超5,000万円以下なら1万円)
詳しい根拠と計算例は、下の各記事で解説しています。
記事一覧(9本)
- 送付状の書き方:並び順・頭語と結語・敬称のきまり(不動産取引で書類を郵送するとき)書類を郵送するときの送付状について、日付・宛名から「記」「以上」までの並び順、拝啓と敬具などの頭語・結語、御中と様の使い分け、字下げ、不動産取引で書いておくべき返送期限や記入箇所の案内までまとめます。
- 不動産売買の決済当日の流れ:持ち物・お金の動き・鍵の引渡しと登記不動産売買の決済(残代金の支払いと引渡し)の当日に何が起きるかを、司法書士の確認、融資の実行、残代金・精算金の振込、鍵の引渡し、登記の申請の順に解説します。売主・買主の持ち物と、午前中に行う理由もまとめます。
- 支払明細書(仕入明細書)の書き方:請求書が届かないときに支払う側で作る(インボイス対応)請求書が届かないときに支払う側が作る支払明細書(仕入明細書)について、インボイス制度のもとでの記載事項、相手方の確認の受け方、消費税の端数処理、源泉徴収の計算を国税庁のQ&Aをもとに解説します。
- 固定資産税・都市計画税の日割り精算の仕組み(1月1日起算と4月1日起算)不動産売買の決済で行う固定資産税・都市計画税の日割り精算について、なぜ精算するのか、起算日の違い、決済日をどちらが負担するか、税額が確定していない時期の扱いまで実務の流れで解説します。
- 管理費・修繕積立金と賃料の精算(口座振替の切り替えと管理替え)区分マンション売買で行う管理費・修繕積立金の精算と、賃貸中物件の賃料・敷金の精算について、口座振替や管理替えの切り替えに時間がかかる場合の考え方を実務の流れで解説します。
- 精算金をお客様に案内する文面の書き方(仕組みを伝え、内訳は精算書へ)決済前にお客様へ送る精算金の案内文について、金額の内訳を並べるより「なぜこの精算があるのか」を伝える書き方をすすめる理由と、固都税・管理費・賃料ごとの文例を紹介します。
- 不動産を買うときの税金:登録免許税と不動産取得税(自宅と投資用の違い)不動産の購入時にかかる登録免許税と不動産取得税の税率・軽減・控除を整理し、同じ中古マンションを自分で住む場合と賃貸に出す場合で税額がどれだけ違うかを計算例で比べます。
- 固定資産税・都市計画税の計算:住宅用地の特例と新築住宅の減額固定資産税・都市計画税の計算方法を、住宅用地の特例(1/6・1/3)、新築住宅の減額、東京23区の都市計画税の軽減まで計算例つきで解説します。更地にすると税額がどれだけ上がるかも示します。
- 売買契約書の印紙税と仲介手数料の上限(物件価格別の早見表つき)不動産売買の仲介手数料の上限(速算式と800万円以下の特例)と、売買契約書の印紙税の軽減税率を整理し、物件価格ごとの金額を早見表にまとめました。