不動産実務
不動産を買うときの税金:登録免許税と不動産取得税(自宅と投資用の違い)
公開 ・ 更新
書いた人:運営者(宅地建物取引士・上場不動産会社に10年勤務・現在はサラリーマン大家)
結論
買うときの税金は登録免許税と不動産取得税の2つ。
同じ物件でも「自分で住む」か「貸す」かで、数十万円変わる。
いつ、いくら払うか
決済・登記の日
登録免許税(国)
数か月後
不動産取得税の通知(都道府県)
毎年
固定資産税・都市計画税
不動産取得税は後から届くので、資金計画から漏れやすい税金です。
例:中古マンション(平成17年築・65㎡)
土地(敷地権)の評価額800万円・建物700万円・借入3,000万円・2026年に取得。
税金の合計
自分で住む
171,000円
軽減・控除がフルに使える
賃貸に出す
710,000円
住宅の軽減が使えない
内訳(住む → 貸す)
差は約54万円。投資用は、この税金を利回りの計算に入れておかないと初年度の手残りを見誤ります。
登録免許税の税率
| 登記 | 本則 | 軽減 | 軽減の主な条件 |
|---|---|---|---|
| 土地の所有権移転 | 2.0% | 1.5% | 条件なし(令和11年3月末まで) |
| 建物の所有権移転(中古) | 2.0% | 0.3% | 自分で住む・50㎡以上など |
| 建物の所有権保存(新築) | 0.4% | 0.15% | 自分で住む・50㎡以上 |
| 抵当権の設定 | 0.4% | 0.1% | 自分で住む家の借入 |
不動産取得税のしくみ
- 税率:土地と住宅3%、住宅以外の建物4%
- 宅地:評価額の1/2で計算(令和9年3月末まで)
- 住宅の控除:新築は1,200万円。中古は自分で住むときだけ(平成9年4月以降の建築なら1,200万円)
- 土地の軽減:建物が控除を受けられるとき、土地の税額から45,000円などを差し引ける
自分で住む中古マンションは、不動産取得税が0円になることがよくあります。
評価額は課税明細で確かめる
売主の固定資産税の課税明細書か、市区町村の評価証明書で確認できます。司法書士の報酬は税金とは別にかかります。
毎年の固定資産税は固定資産税・都市計画税の計算、 印紙税と仲介手数料は印紙税と仲介手数料の上限へ。
詳しい解説
不動産を買うと、代金のほかに税金が2種類かかります。登記のときに納める登録免許税と、 取得してから数か月後に都道府県から納税通知書が届く不動産取得税です。 どちらも「自分で住むか、貸すか」で大きく変わり、同じ物件でも数十万円の差が出ます。
登録免許税:登記のときに1回
登録免許税は、所有権の移転や抵当権の設定を登記するときに納める国税です。 課税標準は、土地・建物は固定資産税評価額(売買代金ではない)、抵当権は借入額です。
| 登記の種類 | 本則 | 軽減税率 | 軽減の主な条件 |
|---|---|---|---|
| 土地の所有権移転(売買) | 2.0% | 1.5% | 条件なし(令和11年3月31日まで) |
| 建物の所有権移転(中古) | 2.0% | 0.3% | 自分で住む・床面積50㎡以上・昭和57年以後の建築など |
| 建物の所有権保存(新築) | 0.4% | 0.15% | 自分で住む・床面積50㎡以上 |
| 抵当権の設定 | 0.4% | 0.1% | 自分で住む住宅を取得するための借入 |
建物と抵当権の軽減は「住宅用家屋」の軽減なので、賃貸に出す投資用の物件には使えません。 課税標準は1,000円未満を切り捨て、税額は100円未満を切り捨てます。
不動産取得税:数か月後に都道府県から
不動産取得税は、土地や建物を取得したときに一度だけかかる都道府県税です。決済から数か月後に納税通知書が届くので、 資金計画から漏れやすい税金です。
- 税率:土地と住宅は3%、住宅以外の建物は4%(住宅と土地の3%は令和9年3月31日まで)。
- 宅地の課税標準:固定資産税評価額の1/2(令和9年3月31日まで)。
- 住宅の控除:新築住宅は1戸1,200万円を評価額から控除。中古住宅は、自分で住む場合だけ、建築時期に応じた額を控除します(平成9年4月以降の建築なら1,200万円)。
- 土地の軽減:建物が住宅の控除を受けられる場合、土地の税額から「45,000円」か「1㎡あたり評価額×1/2×床面積の2倍(200㎡まで)×3%」の多い方を差し引けます。
中古の区分マンションを自分で住むために買った場合、住宅の控除と土地の軽減で、不動産取得税が0円になることがよくあります。 一方、同じ物件を賃貸用に買うと、中古住宅の控除も土地の軽減も使えません。
計算例:同じ中古マンションを「住む」か「貸す」か
平成17年(2005年)築のRC造マンション、専有面積65㎡。土地(敷地権)の評価額800万円、建物の評価額700万円、 借入3,000万円、2026年に取得した場合を、このサイトの税金計算ツールで計算しました。
| 税金 | 自分で住む | 賃貸に出す |
|---|---|---|
| 登録免許税(土地) | 120,000円(1.5%) | 120,000円(1.5%) |
| 登録免許税(建物) | 21,000円(0.3%) | 140,000円(2.0%) |
| 登録免許税(抵当権) | 30,000円(0.1%) | 120,000円(0.4%) |
| 不動産取得税(土地) | 0円(軽減で全額) | 120,000円 |
| 不動産取得税(建物) | 0円(控除1,200万円) | 210,000円 |
| 合計 | 171,000円 | 710,000円 |
差は約54万円です。投資用の物件は、利回りの計算にこの税金を入れておかないと、初年度の手残りを大きく見誤ります。 取得にかかった税金は、投資用なら不動産所得の必要経費に、自宅なら売るときの取得費に入れられるものがあります。
司法書士の報酬は別
登記を司法書士に頼む場合は、上の税金とは別に報酬がかかります。見積もりの「登記費用」は税金と報酬の合計なので、内訳を確認しましょう。
評価額は固定資産税の課税明細で確かめる
税額は売買代金ではなく固定資産税評価額で決まります。売主が持っている固定資産税の課税明細書か、 市区町村の評価証明書で正確な額を確認できます。区分マンションの土地は、敷地全体の評価額に敷地権の割合を掛けた額です。
買ったあとに毎年かかる固定資産税の計算は固定資産税・都市計画税の計算に、 売買契約書の印紙税と仲介手数料は印紙税と仲介手数料の上限にまとめました。
よくある質問
Q. 不動産取得税は自分で申告する必要がありますか?
Q. 相続で取得した場合も同じ税金がかかりますか?
Q. 住宅用家屋証明書はどこでもらえますか?
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記事は一般的な仕組みの解説で、個別の税務判断や契約の助言ではありません。税額や手続きは、税務署・自治体・税理士などにご確認ください。