不動産実務
不動産売買の決済当日の流れ:持ち物・お金の動き・鍵の引渡しと登記
公開
書いた人:運営者(宅地建物取引士・上場不動産会社に10年勤務・現在はサラリーマン大家)
結論
決済は「お金が動き、同じ日に登記を申請する」日。
銀行の振込が間に合うよう、平日の午前中に1〜2時間で行うのが一般的です。
当日の流れ
書類の確認
司法書士が登記書類と本人を確認
融資の実行
買主の口座にローンが入る
残代金・精算金
買主 → 売主へ振込
鍵・書類の引渡し
領収書と引渡確認書
登記の申請
司法書士が当日に法務局へ
持ち物
- 売主:実印、印鑑証明書(3か月以内)、本人確認書類、登記識別情報(権利証)、振込先の通帳、鍵、固定資産税の納税通知書
- 買主:実印(ローンを使う場合)、本人確認書類、住民票、ローンの口座の通帳と届出印、諸費用の支払い分
住所が登記と違う売主は早めに
引っ越しなどで登記上の住所と今の住所が違うと、住所変更の登記が先に必要です。住民票や戸籍の附票を前もって司法書士に渡しておきます。
当日に払うお金
- 残代金(売買代金 − 手付金)
- 固定資産税・管理費などの精算金(日割り精算の仕組み)
- 仲介手数料の残り、司法書士の報酬と登録免許税、ローンの事務手数料など
詳しい解説
決済までの準備(1か月前〜前日)
- 日時と場所を決める:売主・買主・銀行・司法書士の都合を合わせる。場所は買主の借入先の銀行が多い
- 買主のローン:本審査の承認後、銀行と金銭消費貸借契約を結ぶ(決済日に融資が実行されるよう手配する)
- 売主のローン:残っている場合は、借りている銀行に一括返済を申し出る。抵当権の抹消書類の準備に時間がかかるので早めに
- 精算書の確認:残代金・固定資産税・管理費などの精算額を、売主・買主の双方に前もって確かめてもらう
- 引っ越しと各種の手続き:電気・ガス・水道の停止や名義の変更、マンションなら管理会社への届出
なぜ午前中なのか
銀行の振込は、その日のうちに相手の口座に入る締め時刻(多くは15時ごろ)があります。 決済では、買主のローンの実行、売主口座への残代金の振込、売主のローンの完済と、お金の動きが続きます。 どこかで時間がかかっても当日中に終わるよう、午前中に始めるのが一般的です。 売主に住宅ローンが残っている場合は、売主の銀行で完済の手続きと抵当権の抹消書類の受け取りが要るため、 その銀行の担当者や司法書士との時間の調整も必要です。
司法書士の確認が最初にある理由
お金を払ったのに登記ができない、という事態を防ぐためです。司法書士は、売主の登記識別情報・印鑑証明書・実印、 買主の住民票などがそろっているか、本人に間違いないかを確かめ、「登記ができる」と判断してから融資の実行と振込に進みます。 書類に不備があると、その日の決済が止まることもあります。
お金の受け渡しの順番
1. 融資の実行
買主のローンが実行され、買主の口座に入金されます。
2. 残代金・精算金の振込
買主の口座から売主の口座へ、残代金と精算金を振り込みます。精算金は残代金に上乗せ(または差し引き)して、まとめて1回で送るのが一般的です。 金額は事前に精算書で売主・買主の双方に確認してもらっておきます(精算金の案内文)。
3. 着金の確認と領収書
売主が着金を確かめたら、残代金・精算金の領収書を買主に渡します。
4. 諸費用の支払い
仲介手数料・司法書士報酬・登録免許税などを、それぞれに支払います。
引渡しのときに渡すもの
- 鍵(本数を引渡確認書に書く)
- マンションなら管理規約・使用細則、設備の取扱説明書や保証書
- 賃貸中なら賃貸借契約書と、預かっている敷金(残代金から差し引く。敷金の扱い)
決済のあと
登記が終わると、買主に新しい登記識別情報が司法書士から届きます(1〜2週間ほど)。 買主は不動産取得税の通知(数か月後)や、翌年の固定資産税の通知に備えます。 売主は利益が出ていれば翌年に確定申告をします(売ったときの税金)。
よくある質問
Q. 決済にはどれくらい時間がかかりますか?
Q. 売主・買主が当日に来られない場合は?
Q. 現金で持っていく必要はありますか?
参考にした資料
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記事は一般的な仕組みの解説で、個別の税務判断や契約の助言ではありません。税額や手続きは、税務署・自治体・税理士などにご確認ください。